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プライベートはそっとしておくべき?
「生徒のプライベートのトラブルは塾講師の領分ではない。トラブルを招くだけだから首をつっこむのはやめておけ」
この考え方は塾業界では一般的なものだと思う。
実際に僕も先輩方からそう教えられてきたし、それは正しい判断だと思う。
塾は営利目的の企業だし、トラブル一つで潰れることもあるのだから。
一方で僕は、生徒の成績が下がった原因がゲームやスマホであるときには「次のテストで目標点に達しなかったら取り上げる」という話をする。実際取り上げたことも数知れずある。
また、ゼミの中のみならず、学校で何かをしでかしたときにも必ず注意する。
もっといえば、親に対して感謝の気持ちもなく「してもらって当たり前」という態度をしている生徒がいたら100%、説教をしてきた。
さらには、恋愛にどっぷりはまったのが原因で成績が下がった生徒がいたら「人生を左右する試験が控えている大事なときに、夜な夜な連絡をしてくる彼氏が、君のことを本当に大事に思っているわけがないだろう」と、大人げないド正論をぶつけ、節度を守って付き合うことを納得させたことも3度ある。相手の将来まで大切に思うことが愛情なのだと。
そんな感じだから、プライベートに首を突っ込みすぎてトラブルに巻き込まれることはもちろんある。
それで落ち込んで、自分の家族に心配をかけてしまったことも。
こんなことをブログに書いている理由は、「生徒のことを考えています」アピールのためではない。
僕が考えているのは、僕の幸せだけだ。
もっとえげつない言い方をすれば、人並みの生活ができるだけのお金を稼ぐことしか考えていない。
けれどそのためにはゼミの評判を守ることが必要であり、評判を守るためには生徒の成績を上げることが必要であり、成績を上げる妨げになるものを排除する必要があるからそうしている。
必要だから叱るのであり、その叱咤には悪意も敵意もなく、ただ機械的に叱るのだといっても過言ではない。
けれど子供たちは「他人」に叱られることに慣れておらず、「段塚はきっと私のことが嫌いなんだろう」とか、「段塚は僕を退塾にしたいんだ」などと誤解して、気に病んでしまう。
落ち込むのは大切なことだ。
だけれど、僕は君たちが思っているほど、君たちのことを嫌ってなどいない。
早く立ち上がれ。
それだけをいつも祈っている。
だから努力を重ねた生徒が良い成果をだしたとき、僕はあんなに子供みたいに喜ぶんだ。
君たちも見たことがあるはずだ。
普段は叱られてばかりの生徒が努力をして成果を上げたとき、嬉しそうにそれを褒め、評価を変える段塚の姿を。
大人が言うことをきいてくれない?
ちょっとさぼって成績下がったら親や先生がめっちゃ叱ってきてうざい?
良い子ばっかりひいきされてる?
お、おう……。
それが社会では普通さ。
努力しない人間にまで社会が優しいなんて本気で思ってない―――よね?
そう、世の中が誰にでも等しく優しい、なんてことは絶対にないんだよ。
そのことを僕たち大人はよく知っているから、君たちが怠けていたら叱る。
君たちを社会から守るために。
僕はたまに不安になる。
あと何回君たちを叱ってあげられるだろうと。
高校に入った後、君たちをちゃんと見てくれる人がお家の外にもいるだろうかって。
……いつも通り話がそれた。
君を大切に思う大人たちはこれからも君のプライベートも含めて叱るけれど、僕たちは君のことを嫌ってなどいない。
叱られたら頑張ってみ。
それで君が変わったなら、大人たちはそれを正当に評価するし、段塚が飛び上がって君を褒めるはずだ。
うちのゼミ生は周りの子供たちよりも一足先に社会を肌で感じ、強くなってくれているものと信じている。